トオキ ハル

時は早春、卒業式も間近な三月のとある日。

「仲良し三人組」の高校生たちが、思い出の地で遭遇したある事件とは…?

――始まりは突然に――

 

KP:さて、皆さんは進学も決まって、単位も充分なので、もう遊んでていいや、という状況です。…ですが。ふと気が付くと、薄暗い部屋の中。皆さん方3人。足元には、遺体が1つ。その死んでいる人は、皆さん方の友人です。

早川:ぎゃあ(笑)。友達4人目ですか?

KP:ええ。仲良し3人組の1人です。

早川:3人組。…おや?

樋口:は? …11人いる、じゃないんだから。(一同笑)どういう事だ?

早川:誰か1人ダブってる。

相模:留年してるのか。1人だけ19歳か。(一同笑)

樋口:それならもう、悩む必要は無いじゃないか。なぜなら我々は、キャラシーに18歳と書いてある。(一同爆笑)

KP:そういう意味じゃないと思う(笑)。亡くなっているのは、「鳥越要」さん。こんな字を書く。(カードに名前を書く)女の子です。

 

 そこに倒れていたのは、幼稚園からの幼馴染みの少女。顔色に血の気はなく、目を見開いて、体はぴくりとも動かない。

 

KP:皆さん方がいるのは、丸太がむき出しになっているログハウスの中です。で、どうして自分たちがここにいるのか、ここに来るまでの状況が、今一つ思い出せません。

早川:ゲームの電源起動したら、いきなりそういう映像、という感じですか。

KP:そうですね(笑)。

早川:これは、のっけからSANチェックなのですか?

KP:はい、お願いします。

樋口:(ロール)59で成功。

相模:(ロール)うん、大丈夫。

早川:よっこいしょ。(ロール)あ、やっぱり。1人ぐらいは失敗しないと。(一同笑)

KP:はい、成功した人は0でいいです(笑)。失敗した人は、1D4。

早川:うー、3点減らします。どわー! し、しんでるー!

相模:さすがにでも、驚きはするだろうから。「と、鳥越?」

樋口:死んでるのか、本当に? なあ、落ち着け。落ち着いてくれ。

早川:落ち着いていい?

樋口:頼むから落ち着いてくれ、なあ、早川。(一同笑)

相模:お前も落ち着けよ。(一同笑)

 

 3人は、何とか気を静めると、自分たちがなぜここにいるのか、記憶をたどった。そうして思い出したのは、「地元を離れる前に、懐かしい場所を見て回ろう」とみんなで話し合った記憶。その後、小学校や中学校を回ったことは思い出せた、のだが…。

 

KP:で、このログハウスなんですけど、皆さん方が住んでる町からちょっと離れたところ、少し山を登ったあたりに、別荘地がありまして。その中の一つなんです。

相模:はいはい。

KP:ただ、別荘地の外れにある、持ち主がもういないような建物でして、昔探検ごっこをしたりとか。

相模:秘密基地だったんですね。

KP:そうそう。で、誰ともなしに、そこにも行ってみよう、という話になったところまでは、思い出せました。

樋口:ふむ。その後に何かが? なぜ、覚えていないんだ。「とりあえず警察だ、警察を呼ぼう。あと、救急車だ!」と、常識的なことを言う(笑)。それで、自分の胸ポケットのスマートフォンを取り出して、緊急電話のところを押す。動く?

KP:はい、起動します。しばらく呼び出し音が鳴ったあと、「ぷるるー、ぷるるー、かちゃ」

樋口:では…。

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