幽霊屋敷潜入!

夏向けのホラー企画として、有名な心霊スポットで一夜を過ごすことになったTVクルーたち。

だがその廃屋には本物の「悪意」が潜んでいた…!

――2階探索(なんかやばい)――

 

 とにかく大騒ぎの後、りなは首筋を拭いた。しかしよく見るとそのハンカチにも手にも首筋にも、赤みどころか水気も付いていない。

 

りな:「え、なんで!?」

李:「見せてください」

KP:と、皆さんが集まった所に、天井から首吊り死体が落ちてきます!

一同:…………。(唐突過ぎて、かえって反応できない)

KP:(う、寂しい)SANチェックな。

崎本:(ロール)うわ、失敗した!

鈴木:(ロール)あ、僕初めて失敗。

KP:じゃあ失敗した人は、1D3+1で。

崎本:(ロール)ああっ! 4点!(一同爆笑)

鈴木:ザ、ザキさん(笑)?(ロール)僕3点。びっくりして倒れます!

 

 そしてまたその首吊り死体も、一瞬のうちに消え去る。ただ今までと少し違うのは、その時垣間見えた顔は、年の頃五十代の中年のもの。

 

りな:「作家かなあ?」…冷静。(一同笑)

李:多分そうだと思う。

KP:それでここで、鈴木さんが、15%。若瀬さんが、40%。崎本さんが、35%。李君が、50%。で振ってください。

鈴木:絶対無理ですって。(ロール)ほら失敗。

李:(ロール)成功!

崎本:(ロール)うわ! 99!

KP:あらあ(笑)? ではまず、成功した李くん。頭の中にまた、映像が見えました。やはりこの部屋の昔っぽいんですけど、ベッドに女性がいます。それで視点が、その女性に近付いていく誰か、の目線らしくて、こう手を伸ばしているのが見えます。

李:その近付いてる手の持ち主の視線になってるんですね。

鈴木:それは、友好的に近付いてるかどうか、分かります?

KP:それは崎本さんに言います。(一同笑)では崎本さん、同じ光景が見えるんですが、こう近付く手には鞭が握られていて、女性を叩き始めます。

鈴木:おお、いい趣味してますね(笑)。その女の人、どんな格好ですか? 全裸とか、半裸とか、服着てるとか。

KP:…全裸で縛られてる、かなあ。

りな:亀甲縛りですか(笑)?

鈴木:オレの趣味からは、少し外れるな。(一同爆笑)レザーとかの方が。

KP:時代的に、無理があると思うの。(苦笑)

鈴木:いや、西洋だったらあるじゃないですか!(力説)

崎本:女性の反応は?

KP:そうですね、〈心理学〉。

崎本:(ロール)成功。

KP:えー…、悦んでます。(一同笑)

鈴木:ああ、こういうの見たことあるし。(一同爆笑)うん、ザキさんは分かるよ、うん(笑)。

KP:で、1D3点MP減らしてください。(MP1点減少)そうすると…、机の上に彫刻刀があるんですが、それがびゅん、と飛んできます。このターゲットは、ランダムで決めさせていただきます。

鈴木:あ、でも僕、倒れてる。

KP:そうだっけ? それじゃ目標から外れるな。

鈴木:あ、あ、駄目じゃん! 僕に当たらないと! ここはカーブとか! シンカーとか!(一同爆笑)

KP:それはさすがにどうかと思う(笑)。では大木君加えて、4人で。(ロール)1。若瀬さん?(一同爆笑)

りな:しばいたろか!?

KP:それでこれ、状況的に、完全な不意打ちなんだよね。ダメージは1D4で…、(ロール)ごめん、4振っちゃった。

鈴木:おかしいな、これ、当たるの僕の役目のはずなんやけど。(ぶつぶつ)

KP:倒れるって言うからだ(笑)。えーと、利き腕じゃないほうの肩口、に刺さりました。刺さった瞬間、SANチェック。

りな:痛たーっ!(ロール)…00です。

鈴木:また!? なんか今日、多くないか、みんな!?(一同笑)

KP:じゃあ、1D4+1、正気度減らして。

りな:(ロール)4点ですね。

 

 この傷は鈴木が手際よく治療(〈応急手当〉クリティカル)。そのためにカメラを止めたついでに、探索者達はまた話し合う事にした。

 

りな:これ、ここにいる霊が飛ばした、ってこと?

鈴木:マジ、洒落ならん。ザキさん、やっぱこれ、おかしいですって。李くん、この屋敷に本物が居るとかいう話、聞いたことある?

李:うーん、調べた話を、かくかくしかじか。

鈴木:あ、それ知らんかったわ。前に住んでた人、自殺したん?

りな:でも、見えたのが昭和の始めなんだったら、その作家の前に何かあったと思ったほうがいいのかな。その影響で、色々な事件が起きたとか。

崎本:パソコンで調べてみようか。モバイル開いて。

李:ググれ(笑)。

 

 しかし〈図書館〉の判定にマイナス10%の修正が付いたためか、どうにも調べがつかない(全員失敗)。するとここで李が、《卜占》の試みを申し出た。

 

李:では、背中に背負っていた羅盤を取り出して。

崎本:「李君、ちょっと待って」カメラ取り出してから、キュー。

KP:《卜占》は、コストを払って[POW×5]以下を出せば占えます。

李: 90%。それはよく当たる、って言われるよね(笑)。まず正気度。(ロール)1点減った。次にMP。4点減らして、12点。

KP:で、何を占う?

崎本:えー…。

鈴木:キャラクター的には、ここに何がいるか。

李:いるのは気付いてそうだから、それでいきましょう。(ロール)成功。

KP:そうすると、古い悪霊の気配と、この世のものならぬ存在の気配。それが混じりあってるイメージが浮かびます。SANチェックな。

李:いやーん。(ロール)成功。(正気度喪失0)「ううん、古い悪霊と、この世のものではない気配がします」

りな:「この世のものじゃない? 宇宙人?」

鈴木:「だから、おいしい事言わんといてって!」(一同笑)

李:じゃあそれには首を振って。「分からない」

崎本:うーん、なんかやばい気がしてきた。でもここで終わらせると、番組にならないしなあ。

りな:ここで引いたら、女がすたる。(きっぱり)

一同:おおー!(歓声)

崎本:いいの、りなちゃん?

りな:売られた喧嘩は、買わなきゃいけないでしょう。

鈴木:いやいやいや、それ、ヤンキーの反応ですよ(笑)?

KP:お姉さん、過去に何が(笑)。

李:ワンワン倶楽部で色々な事が。(一同笑)

崎本:りなちゃんが、引く気がないって言うなら。ここで終わらせたら番組にならないし、続行するか!

 

 なお、2階では物置も開けた結果、ポルターガイストにより崎本が2点の正気度喪失、鈴木にかけられた《肉体の保護》が2点減少した。その鈴木の脳裏に、今度は「漢字の書かれた巻物を広げる手」の幻覚が映る。

 

鈴木:今ぶつかった時に、こういうもん見えたんですけど。漢字だから、李くんやったら何か分かったかもしれんなあ。

りな:流れが読めないお化けだなあ(笑)。

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